ささやかな幸せを求めて

旅と食と読書を通して人生のハッピーを追求しています。

濁り酒濁れるのみて

どぶろくのススメ

果たして何歳ころの記憶なのだろうか・・。

私を懐に抱きながら囲炉裏端で胡坐をかく祖父が居て、その祖父が旨そうに飲んでいた芳しき白い液体・・・。

長じて祖父の思い出を語った時に、祖母からその白い液体の正体を聞いた。

あ、あれは「どぶろく」だよ!
昭和の初期、寒村に暮らす男たちにとって冬場唯一の楽しみがこの「どぶろく」であったという。

ご先祖様への甘い郷愁を喚起する、あの白い液体・・・。

あの「どぶろく」を再現したい!
強い衝動が身を貫き、固い決意となって私をどぶろく作りに駆り立てるのであった。

今日の幸せ

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仕込みから一週間で完成した「どぶろく」火入れをせずシャンパン風に。


3日目
仕込み瓶のふたを開け、時折上に浮いた米糀をかき混ぜて更なる発酵を促す。
3日目くらいが発酵のピークだ。
この頃にモーツアルトを聞かせると元気の良い酒が出来るのだとか・・・。(^^♪

5日目。
瓶口に顔を近付けて耳を澄ますと、プチプチと炭酸のはじける音と共に、フルーティーで芳醇な酒香が鼻腔を満たす。
糀菌という微生物が醸す、神代の時代から日本人に与えられし福音。

順調だ!
ここまで来ればもう雑菌に負ける事は無い。

7日目
目出度く今日を迎えた。
ブツブツとした大粒の発酵は無くなり、あらかたの米は原型を失い、瓶底に佇む。

昔風にこのまま混ぜて、米糀も一緒に飲んでしまっても良いのだが、一応濁り酒風に作りたかったので絞ることにした。

大きめのボウルにザルを置き、お玉で少量ずつをつぎ足し濾してゆく。
ある程度溜まったところで、炭酸水用のペットボトルに移し替える。

今回は2ℓの仕込み水を使ったので、ペットボトル4本分の「どぶろく」が取れた。
このまま固く栓をして追発酵させると、ボトルがパンパンに膨れ、シャンパン風の発泡どぶろくとなる。
飲み口が良く、体内に入っても発酵が続くので危険な飲み物だ。(^^♪

米、糀、水とわずかな酵母菌が織りなす極上のオマージュ。

冷蔵庫で良く冷やして頂きます。
トクトクトクトク、シュワシュワ~、ゴックンゴックン、プハァ~。
あぁ、日本人で良かったぁ。(#^.^#)

今日は最高の幸せに出会えました。💛

ありがとう。