引越の考察
引越は大変である。
古来より「引越貧乏」という言葉があるように、一旦引越すとなると大変な物入りとなり、且つ、膨大な人的エネルギーを費やすことになる。
先ずは、新居を用意し
移る日取りを決め
物を仕分し
段ボールに詰め
電気・電話・ガス・水道を止め・・・っと、旧居での作業を書き出すだけで、既に疲労困憊してしまった。
この先、新居での生活が始まる迄の長い道のりを想像するだけで二三日寝込む事必至である。(´Д`)
学生時代の友人に、この難事業を毎年のようにやってのける剛の者が居た。
引越のヘルプを頼まれたので、指定日に2t車を借りて彼のアパートに駆けつけると、何も準備らしきものがされていない。
『引越今日だよねぇ?』と尋ねると、煙草を吹かしながら、どこか間延びした声で『そうだよぉ~』と返って来た。
集まった友人たちの表情が険悪になって来たと見るや、『よっこいしょ』とやおら重い腰を上げ、「ファンシーケース」の前に立ったのである。
「ファンシーケース」というのは、ビニール製の簡易洋服ダンスで、一世を風靡した学生生活の必須アイテムである。
ファンシーケースのファスナーを開け、中の洋服やら下着やらを無造作に取り出すと、畳の上に投げ出し、『これ、ごみ袋に詰めてくんな~い』と来た。
洋服をゴミ袋に詰め終えると、やおらファンシーケース内側の骨組みを抜き出し、フニャフニャになったビニールの中に、布団から始まって、ガスストーブ、ラジオその他身の回りの生活雑貨をポイポイ放り込むのであった。
あらかたの物を詰め込み、こぼれ落ちないように何とかファスナーを閉めたとき、部屋には巨大な「ラグビーボール」のようなものが出現した。
一応は破れないように外側をビニール紐で縛りあげ、トラックまで賑やかな音を立てながら全員で巨大ラグビーボールを転がした。
結局、トラックの荷台を埋めたのは、机、カラーボックス、冷蔵庫、洋服の入った二つのゴミ袋玉と巨大なラグビーボールだけである。
2t車の収容力は高い。
机、カラーボックス、冷蔵庫を運転席側にピッタリと納めた後には、広々とした空間が生まれた。
信号で車のブレーキを踏むたびに、荷台の上を巨大なラグビーボールと二個のゴミ袋がガラガラと賑やかに転げ回るのであった。
・・ったく、持ち主が持ち主なら、荷物も荷物だわい‼️ヽ( ̄д ̄;)ノ
引越と言えば先頃「令和天皇」ご一家が、新婚時代から住まわれた赤坂御所から、新装なった「皇居」に移られた。
流石に庶民の引越のように、軍手に鉢巻姿の天皇陛下は見られなかったが、皇位の証したる剣璽(ケンジ)と共に御所を出られる陛下は『身の引き締まる思いであります』と、お答えになられて公用車に乗り込むのであった。
御所に入られる天皇陛下の後ろには剣璽(剣と勾玉)を捧げ持つ宮内庁職員の姿が有った。
巷では「三種の神器」が天皇の証だとされているが、「何か足りないのでは」と思われた諸兄の為に少々解説をしたい。
三種の神器とは、天孫降臨の際に「天照大神(アマテラス)」が「邇邇芸命(ニニギノミコト)」に授けた、三種の宝物の総称を言い、正式には「みくさのかむたから」と読む。
・八咫(ヤタ)鏡
・天叢雲(アメノムラクモ)剣
別称:草薙(クサナギ)剣
・八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)
諸兄が何か足りないと思われたのは、「八咫(ヤタ)鏡」ではあるまいか?
実はその通りで、本物の八咫(ヤタ)鏡は「伊勢神宮」のご神体として奉納されており、動かすことが出来ないのである。
また、天叢雲(アメノムラクモ)剣も「熱田神宮」のご神体となっているので、これも動かせない。
『だって・・天皇陛下のお引越しの時、剣を押し頂いた宮内庁職員が居たじゃないヽ( ̄д ̄;)ノ』とお怒りのご婦人方に、小さな声で申し上げるが、『あれは形代(カタシロ)』つまりレプリカです。!(^^)!
いま、天皇陛下のお手元に在る三種の神器のうち、本物は吹上御所「剣璽の間」に安置された『八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)』だけなんですよぉ~
あ、誰かに教える時には「小さい声」でお願いしますね~!(^^)!
今日の幸せ
アメリカ高校生の教科書には、日本の神話が詳しく解説されている。
そして日本を「神々の創りし国」と紹介しているのである。
しかし、残念な事に日本の教科書は、この辺の艶めかしい話については一頁も触れていないのである(´Д`)
日本の神話には様々な神々が登場するが、なかでも天地開闢(テンチカイビャク)の時に現れた別天津神(コトアマツカミ)という神様が日本の起源神であり、男女の区別のない中性神とされる大神である。
この後「神代七代(カミヨナナヨ)」と呼ばれる様々な神の世を経て、最後に現れ、天橋立からドロドロの大地を「矛」で掻き混ぜ「日本」を創ったとされるのが、ご存知「イザナギ♂」「イザナミ♀」という夫婦の神様なのである。
この夫婦神から生まれた「天照大神」から与えられたのが「三種の神器」であり、ここから約1世紀後に三種の神器を皇位の証に、初代天皇として即位したのが「神武(ジンム)」であり、これを西暦表示すると紀元前660年2月11日ということになる。
文献の残る最古の神々と皇室の歴史は世界に類を見ないのである。
キリストもムハンマドも足元にも及ばない、この国の歴史、伝統、文化こそ、宗教に疲弊した世界に平和をもたらす唯一の希望である。
我国も時の為政者の舵取りにより荒んだ時代を経て来た。
しかし、常に国作りの神として国民の中心にいたのが「天皇」という存在であったことは異論無きところであろう。
高き屋に のぼりて見れば煙立つ
民のかまどは賑わいにけり
仁徳天皇が難波高津宮から街並みをご覧になられると、人々の家からは少しも煙が上がっていないことに気付き、とても心を痛めた。
そして三年間「租税を免除」し、民の窮状を救ったのである。💗
歌は再び竈門からまた勢いよく煙が立つ様を詠んだものである。
心ある元首と共に歩む神話の国
私たちはもっとこの国に誇りを持って良いと思う。
「和の国」日本だからこそ出来る様々な貢献が有る。
時あたかも中央アジアで、神の名を借りた「圧政の国」が産声を上げようとしている。
彼らは一体誰の幸せを求めているのであろうか。
彼の国に真の神在わすならば、己に過度に恭順を求めるより、民の笑顔と安寧を歓びとするはずである。
さあ、秋の総選挙、果たして日本の新しい舵取り役には、煙が立たなくなって久しい民の、「竈門の嘆き」が聞こえるだろうか。