化石は生きていた
ちょっと強面で、見方によっては「グロ」い。
「生きた化石」と呼ばれる絶滅危惧種は数々あれど、滅多にお目に掛れない、東の正横綱に「シーラカンス」がいる。
「古代デボン紀」に現れ、世界中の淡水域や河口などの汽水域において大繁栄を遂げた魚類で、比較的多く出土する化石によりその存在は知られていた。
猛きものついには滅びぬ・・・6500万年前の隕石落下による「生物大量絶滅」と時を同じくして、古代の地層からその姿を消した。
ところが「1938年」、長らく絶滅したものと考えられていたシーラカンスが、南アフリカの北東海岸「チャルムナ川沖」にて偶然捕獲され、その生存が確認された。
捕獲時には刺し網に掛かり、まだ口をパクパクさせていたようだが「ご無沙汰しました」と言ったかどうかは定かではない。
捜査関係者が現住所を尋ねると、虫の息ながら「水深200m前後の深海域に引越した」と答えたきり、息を引き取ったという。
シーラカンスは生息する場所が場所だけに、その生態は謎に包まれているが、成魚となるまでに、メスは約65年、オスは70年もかかり、ウロコにある年輪から推定できる寿命は、なんと100年だという。
妊娠期間は約4年、体内でふ化させてから稚魚を生む「卵胎生」である。
独特の胸ビレは、かつて陸上を目指した名残か、四つ足歩行動物のように交互に動き、退化したとはいえ「肺」の痕跡がある。
大型種になると体長6mに及ぶというから、まさに「恐竜」である。
海中でこんな生き物とだけは遭遇しないよう強く願いたい。
あ~怖い怖い (´Д`)/
今日の幸せ
読者諸兄にいきなりの質問で恐縮だが、「お風呂に飛び込んだら、下の方はまだ水だった」などという経験はないだろうか?
「君は一体いつの時代の話をしているんだ?」とのお𠮟りを受けそうだが、まだ温感センサーなどとは縁遠かった私の幼少期には、日常的に起こっていた事象である。
お風呂の水がそうであるように、「温かい水は上部」に集まり、「冷たい水は下」に行く。
この温度差による「循環」の性質を利用してお湯を沸かすため、風呂の焚口は下部に付いている訳である。
今更こんなことを鼻息荒くして説明するまでも無いのだが・・・。"(-""-)"
では再び問う。
「なぜ氷は上から張る」のであろうか?
ここは「藤井聡太棋聖」張りの「長考」をして頂きたいところである。
冷たくなったものは下へ行くはずでは( ゚Д゚)?
理屈から言えば、氷はより冷たい下側から張るのが正しい張り方と言える。
さて、ここからが「深ぁ~い話」になって行くのである。
ある基準を設け、それよりも「軽いものは上へ」、「重たいものは下へ」行く。
私の住む村では、これを「比重」などと呼んでいる。
水の場合には、「4℃が基準値で1.000」となっていて、摂氏0℃の水は比重「0.99987 」で、4℃の水よりも軽いのである。
これを聞いて、痛いほどに膝を叩いたそこのあなた、かなりの「賢人」と見ましたが如何でしょうか?
早い話が
水中の「一番深いところには4℃の水が溜まる」という事なのだ!(-ω-)/
これこそ生き物に与えられし「天の配材」
湖が全面氷に覆われても最深部にさえ集まれば、魚たちは凍り付くこと無く、越冬することが出来るのだ。
「万物は大いなるものにより生かされている」と思う瞬間である。
深いと言えば、世界で最も深い谷「マリアナ海溝」は10,920mもの深度がある。
その水圧と来たら109.2Mpa(メガパスカル)という凄まじいものである。
七つの海の「平均深度は3,729m」で、シーラカンスの棲む「深海」と呼ばれる水深200m以上の場所は、海の「全面積の80%」を超える。
多少暗くて水圧が高かろうと、裸体で暮らす彼らにとっては、環境が安定した深海こそが、種の保存に適した「安住の地」であったに違いない。
6500万年の時を超え、現代に蘇ったシーラカンスはまさに「時の旅人」
人間という「獰猛で利己的なサル」は、今日も何処かで木を切り倒し、電気を浪費し、廃棄物を投棄する。
私達は「古代からのメッセンジャー」として、今こそ彼らの声に耳を傾けなければならない。💛
シーラカンスよ、ありがとう。 長生きしてくれ!